北海道大学シラバス
科目名[英文名]
情報モデリング  Information Modeling
講義題目
 
責任教員[ローマ字表記](所属)
田中 文基[Fumiki TANAKA](情報科学研究科) 
担当教員[ローマ字表記](所属)
田中 文基[Fumiki TANAKA](情報科学研究科) 
科目種別   他学部履修等の可否 ---- 
開講年度   2009  開講学期 2学期  時間割番号 016005 
授業形態 講義  単位数 2  対象年次 3 
対象学科・クラス 情報エレクトロニクス学科 システム情報コース [新]  補足事項  
 
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情報モデル 表現と理解 形式言語 EXPRESS 図式言語 UML
授業の目標
大規模な機械・電気システムにおいてはその物理的境界認識すら困難であり、
その機能においては可視化することさえ困難な場合がある。また多くの物理現象においては、その支配原理を直接人間が認識することができない場合がある。このような場合、人間は対象(Object)を記号、言語、数学、図、模型、計算機言語などで表現してきた。さらに今日、情報処理技術の飛躍的発展により、人間と計算機が共通に理解できる対象の表現技術が重要となってきた。本講義では対象の「正確な表現」、「人間と計算機の共通理解」、「長期的安定性」を可能とする形式言語と、それによる対象の表現(情報モデル)に関する基礎知識を習得する。
到達目標
本講義では、対象の表現(情報モデル)の必要性、対象の「正確な表現」や「人間と計算機の共通理解」と「長期的安定性」を可能とする形式言語の要件の理解、具体的な情報モデル化言語の記述に関する基礎知識を習得する。
授業計画
1.情報モデリングの概要(2回)
モデルとモデリング技術の概要、情報モデリングの必要性、知識・情報・データの定義とその役割、モデルの定義と対象の表現及び情報モデルの役割。
2.表現における基本要件(2回)
表現における観点の認識、表現における記号の役割、特徴と認識、特徴による対象の表現、抽象と具体、実世界と情報空間の関係、対象の表現における基本機能(正確な表現、人間と計算機の共通理解、表現の長期的安定性)。
3.対象の表現(2回)
対象の表現方法(数学モデル、計算機モデル、言語記述モデル、図式モデル)、力学系のシステム表現(数学モデルと図式モデルの例)、対象の抽象と具体の表現、対象の型とインスタンス表現の具体例。
4.対象指向言語(6回)
形式言語の役割、対象指向言語、EXPRESS言語の構造、データタイプとその役割、属性の継承、上位/下位関係、基数関係表現、UML、メソッド、ポリモーフィズム。
5.情報モデル例(2回)
質点系の力学モデル、幾何・位相構造モデル、デザインパターン。
6.情報基盤技術の役割(1回)
国際ビジネス情報基盤技術の必要性、インターネットが持つ3つの特徴、情報コスト、情報共有化のための情報モデル、データの長期保存。
準備学習(予習・復習)等の内容と分量
義内容への質問や、講義中に提示される例題等についての自発的発言など、適切な予習にもとづいた積極的な受講態度が望まれる.(1時間/週)
さまざまな表現方法が授業中に出てくるため,その表現方法に関してまとめ,授業で説明した例題に類似した問題に関し,記述してみること(2時間/週).
情報モデルの具体例をJava言語で記述していおり,システム情報演習IIと連動しているため,Java言語を用いたプログラム作成・読解が必要となる. Java言語の参考書を用いて,授業中に出てきたプログラムの内容を理解するように,予習・復習すること(1.5時間/週).
成績評価の基準と方法
出席率により受験資格を絞り、出席率が60%を下回る者は受験資格を持たない。定期試験で達成度を評価し、講義の出席回数を加味したうえで、90点以上=秀,80点以上=優,70点以上=良,60点以上=可とする。試験は、出題意図に正面から答えられているか、問題についての基本的な知識を持っているか、記述が説得的・理論的に展開されているかを基準に評価する。
テキスト・教科書
講義資料を配布する。
講義指定図書
参照ホームページ


備考
更新日時
2009/02/25 9:58:45